令和6年度企画展Ⅱ「平和への誓約」が始まります。
熊本県立装飾古墳館では、令和6年(2024年)7月27日から9月8日(日)にかけて令和6年度企画展Ⅱ「平和への誓約」を開催します。
本日、令和6年(2024年)7月26日(金)よりプレオープンします。
「平和への誓約」展の開催は、激動の時代を生きた松尾敬宇中佐と、戦後日本とオーストラリア両国の友好の懸け橋となった母まつ枝氏のエピソードを取り上げた映画「平和への誓約」を当館が平成17年度に制作したことを端緒として、本年度で15回目を迎えます。
昭和17年5月、山鹿市出身の故松尾敬宇中佐は、連合国軍の主要軍港であったオーストラリアのシドニー港に向けて、3隻の特殊潜航艇による攻撃を行いました。その結果、連合国軍側は補給艦1隻が沈没、犠牲者は21名を数え、攻撃を行った日本の特殊潜航艇3隻は全てが沈没、乗組員6名が犠牲となりました。
この戦争は、日豪間に多くの犠牲者を出す痛ましい出来事として私たちの記憶に残っています。
戦後、オーストラリアと日本は友好的な関係を構築することとなり、現在、熊本では交換留学生の派遣など、熊本日豪協会を中心に様々な親善活動が行われています。
この背景には、松尾中佐がたどった生涯を背負いながら、戦後の日本を生き抜く松尾家の皆様の精神力や行動力と、松尾家を支えてきた人々の思いがあります。
本企画展では、日豪の交流を伝える松尾家資料や、昨年度熊本日豪協会設立50周年を迎えた日豪交流の足跡、県内に残る戦争の痕跡などをご紹介します。国際交流の大切さと、不断の努力により築き上げた平和の尊さについて改めて考える機会となれば幸いです。
最後になりますが、開催にあたり、松尾和年様、和子様ご夫妻、熊本日豪協会など両国交流に取り組んでおられる皆様からご協力いただきましたことに、心から御礼申し上げます。