基肄城と高良山神籠石
基肄城(佐賀県基山町・福岡県筑紫野市)
「日本書紀」天智天皇4年(西暦665年)に基肄城の築城の記事が見えます。「遣達率憶禮福留・達率四比福夫於筑紫國、築大野及椽二城。」基肄城(椽城)は、大野城とともに百済の遺臣により造られたということになります。大宰府政庁の北に大野城、南に基肄城が位置し、政庁を中心とした壮大な都市計画があったようにみる方もいらっしゃいます。
基肄城のある基山からの眺望は抜群で、大宰府を指呼の間に望み、博多湾から筑紫野の平野、遠く久留米の市街地までが見渡せます。古代山城の設計思想には、この眺望は不可欠なものだったことでしょう。
基肄城は昭和29年3月、国の特別史跡に指定されています。
高良山神籠石(福岡県久留米市)
筑後の国の一の宮、高良大社を頂く高良山に高良山神籠石があります。神籠石の名称の発祥の場所です。大きな方形の石で形作られた列石が整然と並びます。どの古代山城に行ってもそうですが、このような列石などの遺構を前にして、その建造に費やしたエネルギーや技術を想像すると、改めて驚きます。