お知らせ

平成26年度鞠智城講座 第2回「菊池川中流域の古代集落と鞠智城」

 平成26年度鞠智城講座の2回目は、鞠智城・温故創生館 主任学芸員の能登原孝道が、「菊池川中流域の古代集落と鞠智城」と題して講演を行いました。

 この講演は、これまでの「古代山城」研究は、城の構造や城同士の比較、そして中央との関係等を明らかにする研究が多かったけれども、鞠智城が所在する菊池川中流域の地域社会と鞠智城の関係について明らかにすることも必要であるという話から始まりました。

 そして、鞠智城の5期にわたる変遷と、菊池川中流域の集落の消長を比較し、鞠智城跡では、軍事施設から食糧貯蔵施設に転換する鞠智城鹸(8世紀後半〜9世紀中頃)が大きな画期となり、また、集落の消長でも集落の数が急増する8世紀後半が画期となるという話がありました。

 そして、この鞠智城と集落の変遷は密接に関係していて、8世紀後半段階に菊池川中流域における生産力の発展が進み、それに伴い収穫された米などを貯蔵するための機能が鞠智城に与えられたのではないかという話がありました。

 今回の2回目の講座も80名を超える多くの方々にご参加いただきました。ありがとうございました。