播磨城山城(はりま きのやまじょう)・兵庫県たつの市
播磨城山(きのやま)城は、兵庫県たつの市に所在する古代山城です。標高458mの比較的急峻な山上に位置し、古代の山城と中世の山城が同じ場所に立地しています。
古代山城の遺構としては、石塁や「門の築石」と呼ばれる門礎石(唐居敷)2基などが残っています。
特に石塁Cと呼称される石塁は、全長41m、高さ3mの規模を持ち、城山城の石塁としては最大です。
また、城山城で見つかっている門礎石は、前回紹介した山口県光市の石城山神籠石の「沓石」と呼ばれる門礎石とほぼ同じ形をしています。
なお、中世の城山城は、室町時代に播磨国守護であった赤松氏の居城として使用されますが、嘉吉の乱(1441年)で赤松満祐が室町幕府軍に攻められこの城で自害し、城は落城します。
城山城には、この中世山城の遺構(堀切、曲輪など)もよく残っています。
この城山城に登るにはいくつかのルートがありますが、今回は、地元で「兵糧道」と呼ばれる道を使って登頂しました。
歩いてしか登ることのできないこの「兵糧道」は、足場も悪く、かなり急峻で、城山城に到着するまで1時間以上かかりました。
これまでいくつも古代山城を訪問しましたが、到達するのに一番難儀した古代山城です。
しかしその分、城に到着して石塁や門礎石を見た時の感動はひとしおです。
写真は
上:石塁C
中:門礎石(唐居敷)
下:城内からの眺め(揖保川を望む)