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益山土城(大韓民国 全羅北道益山市)

益山土城(大韓民国 益山市)

大韓民国全羅北道益山(イクサン)市の五金山(オグムサン)にある益山土城(または五金山城)を御紹介します。

韓国の新幹線KTXが停車する益山市は、全羅北道の北部に位置します。益山市の市街地とその東部にある王宮里遺跡を結ぶ国道に接続されている未舗装の農道を五金山(標高125叩砲妨かって歩くと15分ほどで、なだらかな山頂(というか丘の上)を取り囲む形の山城に出会います。これが益山土城です。この山城は、1980年と84年の発掘調査で出土した瓦等により、百済の武王の時代(西暦600年から641年)に建造されたものであることが確認されたと現地の説明板に記されています。

松と竹に覆われた頂を中心にし、美しく保存されている土塁線上を10分ほど歩くと1周してしまう小規模な山城です。

主として山頂の南側に列石や城門跡と見られる石垣が残されており、その石垣の中には阿志岐城で御紹介した切り欠加工が見られます。

王宮里遺跡は百済時代の寺跡で高麗時代に再建築された五層の石塔が遺っています。また、この山城から車で20分ほど北西の錦江のほとりには、熊本県江田船山古墳と深いつながりを示す出土物で有名な笠店里古墳があります。ちなみに錦江の河口は「白村江の戦い(西暦663年)」の古戦場です。

写真は平成24年4月16日撮影