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平成20年度 第5回館長講座「文献からみた古代山城」レポート

平成20年度 第5回館長講座レポート
開催日:平成20年10月12日
テーマ:「文献からみた古代山城」
講師 :板楠和子氏(九州ルーテル学院大学教授)

 10月の第5回は、九州ルーテル学院大学教授の板楠和子氏をお招きし、鞠智城をはじめとした古代山城を文献史学の立場からご講演いただきました。今回講師としてお招きした板楠氏は、鞠智城跡の調査や整備について、ご意見をいただいている方です。
 板楠氏からは、まず、文献の中に出てくる、山城以前に出てくる城のようなものとして、「稲城」などを挙げられました。文献を漢字のみで読み取ることは大変ですが、分かりやすく説明していただき、当時の様子がイメージできるようでした。
 次に、『日本書紀』や鞠智城も記述がある『続日本紀』などについてのお話がありました。そして、この国家プロジェクトである『城』という文字を手がかりとし、その管理者、兵士など、当時を知ることのできる文献を紹介していただきました。
 対談のなかでは、鞠智城で出土している木簡について触れられ、発掘調査によって出土する墨書のある木簡や土器などの文字資料が文献史学の分野にも大きく影響していると話され、今後の発掘調査への期待を示されていました。
 出前館長講座後の初めての館長講座でしたが、今回初参加という方が多くお出でになりました。