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平成20年度 第8回館長講座「金田城(かねだじょう)」レポート

 2月の第8回は、田中淳也氏をお招きし、「金田城」をテーマにご講演いただきました。
 『日本書紀』に、「667年、大和に高安城、讃岐に屋島城、対馬に金田城を築く。」という記録があります。金田城は、大陸に対する防衛の最前線に位置する古代山城です。
 現地の取材映像は、外郭線のほぼ全周を歩く内容であり、講座に参加した方々にとって、金田城の様子がとてもよく分かるものでした。パンフレットなどでよく見る「一ノ城戸」をはじめ、現存する石塁や門跡から、最前線の守りを固めようとした意識が強く感じられました。
 講演では、まず、対馬についての地理的・歴史的な説明があり、続いて金田城の遺構についての解説がありました。金田城には石垣の残りが良く水門をもつ「一ノ城戸」や、門礎や敷石などが発見された「二ノ城戸」、その他にも「三ノ城戸」や「ビングシ門」などの遺構があります。
 金田城では、「二ノ城戸」の石垣の解体・積み直しが行われるなど整備も行われています。整備に伴う調査により、根石を置くために岩盤を削り出していることなど、新たな発見もあったということです。
 対談では、金田城では整備を見据えながら現在も少しずつ調査を行っているという話がありましたが、樹木が多く、国定公園でもあるため、管理だけでもたいへんということでした。そのような中、田中氏は、今後、史跡を活用することに重点をおき、見学会なども行っていくなどして、たくさんの方に訪れてもらえるようにしたいと熱心に話されました。
 今回もたくさんのご参加を頂きました。たいへんありがとうございました。