お知らせ

金田城その2(長崎県対馬市)

 第3回古代山城サミットが、金田城の所在する対馬市で開催されました。今回は、サミットに関連して行われた現地見学会の様子をご報告します。金田城が築城されている城山(じょうやま)には、当日登山道ではなく海からアプローチするコースに参加いたしました。参加者は対馬市教育委員会が仕立てられた漁船に樽ヶ浜漁港から分乗し、約20分で浅茅湾に突き出る芋崎(ここにも旧日本軍の砲台跡があります)に至ります。この芋崎を巡ると、城山が眼前に迫ってきます。

 城山を浅茅湾側から見上げると、その山塊の雄大さと斜面の傾斜の強さに目を奪われます。古代山城の設計思想に、攻め手からの視線を意識する見せる要素がもし含まれているならば、この山の姿は、その考えに大いに寄与していたことでしょう。

城山の北側斜面と狭い水道をつくる鋸割岩を左手に見ながら、城山の東海岸が面している穏やかな黒瀬湾にはいると、大吉戸神社がすぐに右手に見えます。その鳥居前のサミットのために臨時に設けられた浮き桟橋を使って上陸、一の城戸を経て二の城戸を見学いたしました。これらの非常に保存状態のよい遺構を眺めながら、古代国家の危機感を想像すると、感慨深いものがあります。

最後になりましたが、対馬市教育委員会の皆様ありがとうございました。

写真は上から、城山の全景、鋸割岩、一の城戸です。