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石城山神籠石(いわきさんこうごいし)・山口県光市

石城山神籠石(いわきさんこうごいし)は、山口県光市の石城山に所在する古代山城です。石城山の頂上に近い部分を列石・土塁が巡っていて、その長さは約2.6kmに及びます。その中でも谷間にあたる部分には水門がつく大規模な石塁が築かれており、その規模や構造は近世城郭の石垣と見まがうほど立派なもので、見る者を圧倒させます。また、城門の跡も確認されていて、第1門跡では「沓石」と呼ばれる唐居敷(門礎石)も見つかっています。この唐居敷は兵庫県たつの市の播磨城山城に残る唐居敷と形態的によく似ているものです。

 この神籠石が発見されたのは古く、明治42年のことで、それまで九州でしか見つかっていなかった神籠石が本州でも見つかったということで、考古学界においてかなり注目されたとのことです。日本考古学史においても重要な位置を占める遺跡といえます。

 現地は、石城山の麓から神籠石内部まで道路がつながっているので車で登ることができ、見学者用の駐車場もあります。列石や石塁、門跡等を見るためには遊歩道に沿って歩かないといけませんが、それぞれの遺構はかなり見応えがあります。山口方面へ行かれた際には石城山神籠石まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

 写真は上から、西水門、北水門、第1門跡の唐居敷(沓石)です。