高安城跡(たかやすじょうあと)・奈良県、大阪府
日本書紀に築城と廃城の記録が残る高安城は現在もその所在地が確定していません。
昭和53年、大阪府八尾市の「高安城を探る会」の皆さんにより、地元高安山の東側奈良県平群郡の山中で、倉庫跡とも考えられる礎石群が発見され、当時大きな話題となりました。しかし、その後、奈良県立橿原考古学研究所による発掘調査の結果、これらの礎石群は日本書紀の高安城廃城(西暦701年)後のものであることがわかりました。今回は「高安城を探る会」の皆さんが発見した礎石群を御紹介します。
1号から3号まで、3箇所の礎石群を倉庫跡と表示してあり、森の中の2号とそこから東の3号(森から出ます)の礎石群です。(写真は平成23年12月30日撮影)
高安山は生駒山系の南に位置し、近畿日本鉄道のケーブルカーが山頂近くまで敷設されています。近郊にお住まいの方々の格好のハイキングコースとなっており、また信貴山縁起絵巻で有名な信貴山朝護孫子寺へケーブルカーの終点(高安山駅)からバスで接続されています。
高安山駅からの眺望は、大阪の街並や大阪湾がパノラマで広がり、御紹介した礎石群まで気持ちの良い広葉落葉樹林が続きます。ご覧の皆さんも脚をお運びになってはいかがでしょうか。